自分がその場を構成する要素になるべく、場にとっての関係線になって動いて関係線として止まるということをした後に、何が起こるのかという意識ではじめた。
まず温風機の機械音が聞こえてきた。次にライトに照らされて舞う埃、そして棚の端にテープで貼って吊るされている転写紙が僅かに揺れていることに気がついた。転写紙にはエマさんのタトゥーの図案が出力されている。丸まっていてクレープみたいな形になっている。揺れていることに気がついた時、少し嬉しかった。 自分の転写機の電源のオン/オフを知らせるマークのLEDライトが一定のリズムで点滅していることに気がついた。場所で起こっていることに対して、手拍子をしたりして自分が音を出して応じてみたらどうなるのか気になっていたことを思い出した。点滅のリズムに合いの手を打つようにして手を叩いてみる。数回叩いてやめた。
次々に何かが起こった感じがして少し嬉しかった。キャビネットに部屋の照明の光が反射している。照明がある方を向いてみる。何も起こらなくなったように感じた。しばらく何も起こらなかった。どうすればもっとこの場所で起こることに立ち会えるんだろう、とか考えた。ただ雑然とした部屋があり、何も起こらない時間が続いた。それならばと、自分から再び関係線となって動いてみようと考えた。はじめの動きとは別のことを試してみようと思った。場所のインデックスのスケールを豊富にするような動きができないかと思った。絵であればそうするからだ。しかし絵でやるようなことをそのまま身体の動きですることはできない。できなさは他のできなさにつながっているという言葉が出てきた。それなら、この雑然とした部屋に対しての関係線になろうと思った。隙の無い、洗練された動きだと思った。けどそれもできない。この部屋も雑然としているし、自分の身体も雑然としているし、自分の認識も雑然としているなと思った。雑多で雑然というところで場所とつながった。なんだか嘲笑気味ににやけそうになった。
とりあえず、場所のインデックスのスケールを豊富にしようと思ったのだけど、絵でやるようなことを動きに置き換えるとしたらどうなるのか、書き出しながら考えてみようと思った。手帳を手に取って、そこにボールペンで書き出そうと思った。けど、内容が多くなりそうなので、やっぱりノートにしようと思った。いややっぱりパソコンでHP内の踊りメモに記述しようと思った。パソコンの前の椅子に座ろうとして歩き出した時に、なんて前向きな気持ちでパソコンの前の椅子に座ろうとしているんだと思って驚き、すごく嬉しかった。思わず声を出して笑った。今の踊りを始める直前まで、やらなければいけないパソコン作業があるのに、すごく嫌で、もう寝たいのにどうしてもやらないといけなくて、でもすごく嫌で、ゆっくりと寝て、順風に日々を送りたいのに、いつも焦燥感の中で寝て、起きて、働いて、やりたいことをやって、という日々になってしまうことを悔やんでいた。手帳には昨日、「2026年の目標 やらないといけないことを後回しにしない」とか書いた。そうして目標を達成しなければとか思って、とにかく嫌だけど、なんとか「しょうがないやるか」という意気込みが出てくるのを待って、お茶を飲んだり、散歩したり、そういうある種の現実逃避のようなことをしていた。その中の一つとして踊りをしてみていた。何が起こるのか、という試みの踊りで、まさかこんな気持ちでパソコンに向かうということが起こったという結末になるとは思いもしなくて、いてもたってもいられずこうして書き残した。
2025/12/29
